砂糖と歯の黄ばみ

こんにちは。コラムをご覧いただきありがとうございます☺️
今日は、お砂糖と歯の色の関係についてお伝えしたいと思います。

砂糖と歯のまずい関係は、虫歯・歯周病だけではなかった!

「砂糖と歯」で、まず連想するのは、歯科の二大疾患の一つである”虫歯”ではないでしょうか?
甘いものを食べると虫歯になる、というのはもはや、小学生でも知っているくらい浸透していますね。
虫歯・歯周病と砂糖の関係については、また別の機会でお話をするとして、今日の話題は、タイトルにもある通り、『砂糖と黄ばみの関係』、糖化が歯の色に及ぼす影響 についてです😊

目次

「糖化」ってなぁに?

皆さんは、”糖化”って聞いたことがありますか?
糖化とは、食事などで摂りすぎた過剰な糖類が、体内のタンパク質とくっついて、劣化・変性したタンパク質ができてしまうこと、です。
この、変性タンパク質を終末糖化産物/AGEs(エージーイー)と呼んでいます。
(Advanced Glycation Endproductsの略)

最近、AGEsは老化を促進させる物質として、医学・美容の界隈ではよく耳にする単語なんです。
そして、AGEsは、知れば知るほど怖い😱


AGEsについて、30年以上にわたって研究している昭和大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科部門の山岸昌一主任教授のインタビュー記事を以下に引用させていただきます🙇‍♀️✨

AGEの蓄積が老化を促進し死亡リスクを高める

 脳、目、頭髪、皮膚、心臓、腎臓、肺、消化器、生殖器、血管、骨、筋肉など、私たちの体の屋台骨はたんぱく質でできており、それぞれの場所で機能することで健康を維持している。ところが、たんぱく質の機能は加齢と共に劣化し、本来の機能を果たせなくなって行く。この現象に大きく関わっているのがAGEだ。AGEは、食事などで過剰に摂取した糖とたんぱく質が結合するなどして発生する。AGEが体内に増えると老化が進みやすくなり、加齢に伴う様々な病気の引き金になると考えられている。

 「AGEは、いわば、たんぱく質が劣化して機能が損なわれた成れの果ての物質です。誰でも加齢と共にAGEが溜まりますが、同じ年齢でもその蓄積度には個人差があります。一般住民7万人以上を対象とした研究では、AGEの蓄積が多いグループは、糖尿病や心臓病に3倍かかりやすく、死亡リスクが5倍で、寿命が短いということが明らかになっています*1。AGEの蓄積度が高い人は握力が弱く歩くスピードが遅い。転倒や骨折もしやすいので、健康寿命を縮めるリスクもあります」と山岸教授は説明する(図表1)

図表1●コラーゲンのAGE化が人体に及ぼす影響(出所:『老けない人は何が違うのか』(合同出版)を基にBeyond Health作成)

図表1●コラーゲンのAGE化が人体に及ぼす影響(出所:『老けない人は何が違うのか』(合同出版)を基にBeyond Health作成)

 体内に溜まっているAGEの量=AGEの蓄積度は、オランダで開発された「AGEリーダー」や「AGEスキャナー」という機器で簡単に測れる。これらの測定器は、AGEが、目に見えない特殊な蛍光を発生することを活用している。腕や首の皮膚が発する自家蛍光量を12秒程度測ることで、体内に蓄積されたAGE量が簡単に分かる仕組みだ。

 山岸教授らの研究チームが全国の約1万1000人(20~79歳)を対象に皮膚のAGE量と生活習慣の関係を調べた研究では、喫煙、運動不足、精神的ストレス、睡眠不足、朝食抜き、甘い物の食べ過ぎによって蓄積度が増すことが示された*2

 「体内にAGEが蓄積すると体のサビを取る抗酸化機能も低下。活性酸素が増えて体のあちこちで慢性炎症が起こり、さらにAGEが増加して老化が進むという悪循環に陥ります(図表2)。AGEの蓄積度を測ることで、体の老化度や、糖尿病や心臓病になりやすい状態かどうかが分かるので、生活習慣の改善を促す動機づけにつながります」(山岸教授)https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00043/072100014/?P=1

歯の黄ばみは、加齢のサイン

当院では、「年齢を重ねるとともに、歯の黄ばみが気になるようになって….」というお悩みで来院される患者様が多くいらっしゃいます。

気のせいではなく、3つのメカニズムにより、年齢とともに歯は黄ばんで見えるようになるんです。

ここでいう『黄ばみ』とは、歯の外側につくステインのことではなく、歯の内側の問題のことを指してます。

歯の色は象牙質で決まる

歯が黄ばむメカニズムをお話しする前に、歯の構造と、色の見え方について簡単に解説しますね。

歯の構造
最も外側は『エナメル質』
白色透明の硬い無機質の組織(ハイドロキシアパタイト)です。
第2層目が『象牙質』
象牙質は、69%は無機質のハイドロキシアパタイト、18%はコラーゲンなどの有機質、そして残りの13%が水分で、骨の成分と非常に似ており、硬さも同じくらいです。
第3層目が『歯髄(しずい)』
歯の神経と血管がある場所です。

歯の色調は象牙質の色によって決まり、半透明のエナメル質を通して象牙質の色が見えているんです。

加齢現象① エナメル質がすり減って薄くなる

とっても硬いエナメル質ですが、さまざまな原因で薄くなってしまいます。エナメル質が薄くなると、象牙質の色が透けやすくなるため、黄ばみがましたように見えてきますね。
<エナメル質が薄くなる原因>
・硬い食べ物による傷
・歯磨き粉に含まれる研磨剤成分による傷
・食後の酸によるミネラルの流失
・歯軋りや食いしばりの癖
・体質的に唾液量が少ないこと

加齢現象② 象牙質が厚くなる

象牙質は、歯が生えた後も添加される性質があり、密度・厚さが徐々に増していきます。
ご来院された患者様には、いつもこの現象の説明をするときに「黄色いセロファンを何枚も重ねると、色が濃く見えるようになりますよね?」と例を挙げてお話しさせていただいていますが、象牙質の密度・厚さが増すと、色が濃く見えるようになるんです。

加齢現象③ 象牙質の色が黄変する

そして、象牙質そのものの色も変わります。象牙質の『黄変』です。
実はこの現象は、食生活(糖質摂取量)が大きく関わっており、年齢に関係なく起こる現象です。
歯の黄変は、糖化によって起こるものなんです。

AGEsで歯が黄ばむ

歯の象牙質と骨は、成分が似ていて硬さも同じくらいです。
写真は、健常な骨のモデルと糖化した骨のモデル。写真の通り、体の中でタンパク質が糖化することで起こる変化の一つとして、タンパク質の「褐色化」が挙げられます。
他には「硬化」「脆弱化」などしなやかさが失われる変化もありますが今回は割愛します。

歯でも象牙質で同じ現象が起こっていて、糖分の過剰な摂取により、コラーゲンタンパク質が含まれる象牙質が糖化し、褐色化してしまいます。すなわち、黄ばみます😨
骨は見える場所にはないので直接確認することはできませんが、歯は見える場所にありますね。歯の黄ばみが特に強い方は、骨・肌・血管・髪の毛など全身での老化が進んでいるサインとして捉えていただけると良いかと思います。

できることから始めよう!歯のエイジングケア

歯のホワイトニング

当院が行なっているトランセントホワイトニングは、従来のホワイトニングとはメカニズムが異なり、歯の象牙質に潜む着色物質を特異的に分解除去してくれるという作用があり、きちんと白さを取り戻してくれるのが嬉しいポイントです。

※従来のホワイトニングは、エナメル質を不透明化(すりガラス状に変質)させ、象牙質の色を透けなくさせて白く見せるという側面があります。

過剰なお砂糖の摂取を控える

カウンセリング時に、ここで述べた糖化の話や、対策について簡単にお話しをさせていただいております😊
知っているのと、知らないのとでは、行動が変わってくるからです✨
そして、大変嬉しいことに、”糖化”を意識した生活スタイルに変化していく患者さんが多くいらっしゃいます👏
「ダイエットしているわけではないけれど、痩せました!」「味覚の変化を感じています!」などなど。
断糖(砂糖断ち)までいかなくても、減らせるところから減らしていけばいいと思っています。ストレスにならない程度に😊
私も元々、スイーツが大好きでした。それが今では、甘い物が欲しなくなり、これまで美味しいと思って食べていた物たちが、甘すぎて美味しくないと感じるようになりました。
無理に辞めたつもりはないのに、砂糖の怖さを知って、ちょっと意識しただけで、この変化。自分でも驚いています😆

最後に、宣伝になってしまうのですが、、、、
当院は、砂糖不使用ヘルシースイーツSante bonの販売代理店になっています。
罪悪感なく食べられる、むしろ体にいいのでは!?と思えるほどのこだわり抜いたとても美味しいスイーツたち。下のバナーから詳細をご覧ください💐

最後までお読みいただきありがとうございます!
いかがでしたでしょうか?
砂糖を意識した生活で、歯の黄ばみ予防、ホワイトニング後の後戻り予防につながるだけでなく、健康な生活へとつなげていきましょう☺︎



歯科医師 髙橋茉莉恵
マリエクレール歯科院長
歯科医師16年目。小児歯科・審美歯科での勤務を経て、2023年にホワイトニング専門クリニックを開業。口元の美と健康をホワイトニングを通してサポートしています。

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